サービス業
北陸
2026.09.17
100社・1000名を支えた"人と向き合う"人材紹介 ── 採用×AIで、地方の中小企業を変える
MU合同会社
浅下 晴幹 代表
近江町市場や金沢の老舗クラブでの経験を経て人材紹介業界へ進み、2022年にMU合同会社を設立した浅下晴幹氏。石川県・北陸を拠点に、100社以上の採用支援と1000名以上のキャリア支援を手がけてきた。「採用して終わり」ではなく入社後の活躍までを見据えたマッチングに加え、生成AIによる業務効率化まで。「人×AI×仕組み」で中小企業の課題に向き合う。
── まずは、事業内容を教えてください。
転職支援サービスを軸に、大きく4つの事業を手がけています。
一つ目は有料職業紹介です。企業の採用ニーズと求職者の希望・適性を丁寧に把握し、求人内容の整理から候補者の選定、面談、推薦、入社まで一貫して支援しています。
二つ目がキャリアコンサルティング・転職支援。求職者一人ひとりと時間をかけて面談し、本人も気づいていない適性まで整理したうえで、「その人が長く働けるか」を重視してご紹介しています。
三つ目は採用コンサルティング・採用代行です。求人票の作成や採用要件の整理、スカウト、一次面接の代行、評価シートの設計など、採用活動そのものを支援します。
そして四つ目が、AIリスキリング・業務効率化支援。ChatGPTをはじめとした生成AIの導入研修や、議事録・日報・提案書といった実務へのAI活用を、社内で使える状態まで伴走しています。
── これまでの経歴を教えてください。
高校卒業後、まず法人営業を経験し、その後は祖父が商売をしていた近江町市場で働きました。カニや松茸の販売に携わり、接客や商売の基礎を学んだ時期です。
その後、ご縁があって金沢の老舗高級クラブ「クラブ利恵」に入社しました。約12年間、接客だけでなく店舗運営やスタッフの採用・育成、人材管理にも携わり、姉妹店の店長を務めたときには、店舗売上を前年比約2倍まで伸ばしました。
結婚をきっかけに昼の仕事へ転職し、人材紹介業界へ。約3年間、求職者との面談や企業の採用支援の経験を積み、独立しました。
振り返ると、市場でもクラブでも人材業でも、ずっと「人と向き合う仕事」をしてきた。それが今の仕事につながっていると思います。
── 創業のきっかけと、創業期について教えてください。
これまでの仕事を通じて、企業の「良い人材を採用したい」という思いと、求職者の「自分に合った会社で働きたい」という思いが、十分につながっていない場面を多く見てきました。
求人票や経歴だけでは、その人の人柄や価値観、企業の本当の魅力までは分かりません。だからこそ、一人ひとり、一社一社としっかり向き合い、双方を深く理解したうえでつなぐ会社を作りたいと考えたんです。
創業当初は、知名度も実績もない状態でした。まずは経営者の方々に直接会い、どんな人材が必要で、なぜ採用に困っているのかを一つずつ聞くところから始めました。
効率だけを追わず、面談にも打ち合わせにも時間をかける。一件一件の採用を丁寧に積み重ねるなかで紹介や口コミが増え、「採用について一緒に考えてほしい」と相談いただけるようになったことが、一つの転機でした。

── 創業から現在まで、事業はどのように変わってきましたか。
創業当初は、有料職業紹介と転職・キャリア支援が中心でした。
ただ、企業の採用支援を続けるなかで、「人材を紹介するだけでは解決できない採用課題」が数多くあると分かってきました。そこで求人票の作成や採用要件の整理、スカウト、一次面接の代行など、採用業務全体へと支援を広げてきました。
さらに、人手不足や業務負担という課題に向き合うなかで、生成AIを活用した業務効率化にも取り組むようになりました。
今は「人を採用する」「人を育てる」「AIを活用して業務そのものを効率化する」という複数の方向から、中小企業の経営課題を支援しています。
── 同業他社と比べたときの、強みはどこにありますか。
最大の強みは、企業と求職者の双方を深く理解することに時間をかけている点です。
求職者とは、経歴だけでなく価値観や人柄、将来像、転職理由まで丁寧に掘り下げ、「本当にその企業で長く働けるのか」という視点でご紹介しています。
企業側についても、求人票の条件だけでなく、経営者の考え方や会社の文化、現場で求められる人物像まで把握したうえで採用を支援します。
これまでに100社以上の企業を支援し、1000名以上のキャリア・転職支援を行ってきました。製造業や建設業、サービス業など、採用難易度の高い職種も含めた実績があります。
── Komon's matchでは顧問として、依頼企業にどんな価値を提供できますか。
採用・人材・AI活用を中心に、経営者や採用担当者の実務に入り込んだ支援ができます。
採用戦略の立案や人物像の設計、求人票やスカウト文面の改善、面接の代行や評価シートの作成、そして人材紹介まで。ChatGPTなど生成AIの社内導入や、議事録・日報・提案書の効率化、社内向けのAIリスキリング研修も行っています。
特に力になれるのは、「求人を出しても応募が来ない」「採用してもすぐ辞めてしまう」「社長が採用業務まで抱えて本業に集中できない」「ChatGPTを契約したものの、実務で使えていない」といった中小企業です。
地方の中小企業では、採用、人材育成、業務効率化はそれぞれ別の問題ではなく、すべてつながっています。アドバイスだけで終わらず、一緒に仕組みを作り、社内で運用できる状態まで伴走することを大切にしています。

── 仕事を離れたときは、どんな時間を過ごしていますか。
ゲームやNFT、新しいテクノロジーに触れることが好きです。NFTには比較的早い段階から興味を持って、実際に収集もしてきました。
新しいサービスに触れて「これは何に使えるだろう」と考えること自体が、趣味に近いんです。休日も、気づけばAIや新しいサービスを調べていることが多いですね。
一方で、妻と娘、息子、猫と暮らす時間も大切にしています。家族と出かけたり食事をしたりする時間が、結果的に新しいアイデアにつながることも多いです。
周囲からは真面目で堅いと思われがちですが、「思っていたより柔らかい」「意外と少年っぽい」と言われることがあります。
── 大切にしている言葉や信条を教えてください。
大切にしている言葉の一つが、「コピーできないものが価値を生む」です。
商品やサービスは、良いものであればいずれ真似されます。でも、会社が積み上げてきた経験や信頼関係、文化、そこで働く人たちまでは、完全にコピーできません。
だからこそ、「自分たちにしか作れない価値」を積み上げていきたいんです。
仕事では、人を表面的な情報だけで判断しないことを一番大切にしています。「なぜそう考えているのか」「本当は何を求めているのか」まで掘り下げる。
これまでの経験からも、目の前の条件だけで判断するとうまくいかないと感じてきました。条件が合っていても、文化や価値観が合わなければ早期離職につながります。
だから今は、結果を急ぐより、最初に時間をかけることを大切にしています。
── 業界の課題と、今後のビジョンを教えてください。
人材業界では、採用人数や転職決定数が目的になりやすく、「入社後に活躍し、長く働けるか」という視点が弱くなりがちだと感じています。特に地方の中小企業は、一人の早期離職が会社に与える影響が非常に大きい。
また、人手不足が進むなかで、すべてを採用で解決するのにも限界があります。
これから3年間は、人材紹介や採用コンサルティングの強みを磨きながら、AIリスキリングや業務効率化支援を組み合わせていきます。人を採用すべきなのか、今いる社員を育てるべきなのか、AIで効率化できる仕事なのか。
そこまで一緒に考えられる存在を目指します。
長期的には、社名の由来でもある「Meta Universe」の考え方につなげていきたいと思っています。AIやメタバースで仕事の形が変わっていくなかで、これまで存在しなかった仕事や働き方まで作ることが、私たちのビジョンです。
── 最後に、記事を読む経営者へメッセージをお願いします。
中小企業にとって「人」の問題は、経営そのものに直結するテーマだと思っています。
良い人材を採用できない、人が定着しない、業務が忙しすぎる、AIをどう使えばいいか分からない。こうした悩みを抱える会社は非常に多いですが、採用方法や仕事の進め方を少し変えるだけで、会社が大きく変わることもあります。
「何から手をつければいいか分からない」という段階でも構いません。経営者の頭の中にある課題を一緒に整理し、具体的な形にしていくところからお手伝いします。
「一緒に何か面白いものを作ろう」と言える経営者の方とのご縁を、楽しみにしています。
会社名 | MU合同会社 |
|---|---|
設立 | 2022年2月 |
従業員数 | 5名 |
事業 | 有料職業紹介、キャリアコンサルティング、採用コンサルティング・採用代行、AIリスキリング・業務効率化支援 |
所在地 | 石川県 |
対応エリア | 中部・北陸 |
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