採用と配置を"勘"で決めない ── 55,000人のデータが支える、経営者のための人事判断ツール

サービス業

関東

2026.08.27

採用と配置を"勘"で決めない ── 55,000人のデータが支える、経営者のための人事判断ツール

アイオーン株式会社

永尾 洋輔 社長

「優秀な人が、配置ひとつで潰れる」。外資系企業で人事の現実を目の当たりにした永尾洋輔氏が開発したのが、55,000人以上の生年月日データを統計解析した人材ツール「ETOGRAM®(エトグラム)」だ。採用のミスマッチ防止、適正配置、コンプライアンス違反の未然防止という三つの場面で、経営者の人事判断を補助する。勘に依存してきた「人を見る目」に、統計というもう一つの視点を加える挑戦を語る。

┃ 原体験と起業まで ──「配置ひとつで人が潰れる」現実

── まずは、開発のきっかけを教えてください。

社長 

前職まで、大手総合電機メーカーと外資系製薬会社に勤めていました。

実力主義の外資で目の当たりにしたのは、優秀な人が配置ひとつで潰れ、評価面談の言葉ひとつで辞めていく現実です。

会社は、履歴書と面接と上司の主観だけで人を判断している。「人を見る目」が個人の勘に依存している限り、同じ悲劇が繰り返される。そう痛感しました。

2018年に独立してコンサルティング会社を設立し、延べ1万名にのぼる対面ヒアリングを重ねる中で、生年月日と性質・行動傾向の間に、無視できない統計的な偏りがあることに気づいたんです。

これを勘や経験則ではなく、検定と残差分析という統計手法で検証し、誰でも使える形にしたのがETOGRAM®です。その専属販売会社として、2026年2月にアイオーン株式会社を設立しました。

┃ 創業期の苦労 ──「生年月日で分かるのか」という懐疑との闘い

── 事業化にあたって、最大の壁は何でしたか。

社長

「生年月日で本当に分かるのか?」という懐疑との闘いでした。当然の反応だと思います。

だからこそ、印象論を徹底的に排しました。120年分の生年月日分布を比較群として、偶然では説明できない偏りだけを抽出するデータ設計にこだわった。

因果関係を主張するのではなく、あくまで相関に基づく仮説として提示する。この誠実さが信頼につながると考えたからです。

転機は二つあります。一つは東京都経営革新計画の承認と、ものづくり補助金の採択。公的機関に事業性と革新性を評価いただけたことです。

もう一つは、最初期に半信半疑で試された外資系メーカーの人事責任者の方が、「レポートにあった質問を面接でぶつけたら、候補者の本質が見えた」と、その後も継続してくださったこと。疑っていた方が一番のファンになる。この手応えが、今の確信につながっています。

┃ 事業の変遷 ── 8年の研究を、事業へ

── これまでの歩みを教えてください。

社長

出発点は2018年、私が設立したコンサルティング会社(アストロメディア株式会社)での研究です。

約8年かけて対面ヒアリングとデータ収集を続け、55,000人超のデータベースと統計解析の手法を確立しました。

2025年、この研究を事業化するため、東京都経営革新計画の承認とものづくり補助金の採択を受けてWebアプリ開発に着手。2026年2月、開発(アストロメディア)と販売(アイオーン)の役割を分けるかたちで当社を設立しました。

今は1名単位の報告書タイプを先行提供しながら、2026年10月のクラウド型システム正式リリースに向けて準備を進めています。

┃ サービス内容 ── 採れない・辞める・炎上を防ぐ

── ETOGRAM®とは、どんなツールですか。

社長

中小・中堅企業の経営者様や人事責任者様に向けた、人材採用支援・タレントマネジメントツールです。

「採用したのにすぐ辞めてしまった」「配置換えの判断に自信が持てない」「まさかあの社員が、というコンプライアンス違反を防ぎたい」。

こうした"人の問題"は、経営者の悩みの中でも最も大きく、最も相談相手がいない領域です。

生年月日と性別だけを基礎情報に、55,000人以上のデータを統計解析して、人の性質や行動傾向を推測します。

採用時のミスマッチ防止、社内の適正配置、コンプライアンス違反の未然防止という三つの場面で判断を補助する。意思決定を代替するのではなく、面接で何を確認すべきか、どんな声のかけ方が響くか、といった「判断の精度を上げる材料」を提供するツールです。

┃ 強み ── 偽れない・ダークサイド・統計的誠実さ

── 同業他社と比べたときの、強みはどこにありますか。

社長

三つあります。第一に、「入力情報が偽れない」こと。既存の適性検査は本人の自己申告に依存するため、「良く見せたい」という心理バイアスを避けられません。ETOGRAM®の基礎情報は生年月日と性別のみ。取り繕う余地がなく、既存の検査と併用すれば互いの死角を補えます。

第二に、「ダークサイドを扱える」こと。適職や強みを示すツールは多数ありますが、情報漏洩や私的流用といった起こしうる問題、離職や隠蔽のサイン、予想在籍期間まで踏み込むツールは他にありません。

第三に、「統計的な誠実さ」です。55,000人超のデータに独立性の検定・残差分析を行い、有意差のある項目だけを採用する。因果ではなく相関に基づく「仮説」として提示し、断定しない。だからこそ、経営判断の補助として安心して使えます。

┃ 顧問としてできること ── 人事判断の"壁打ち相手"に

── Komon's matchでは顧問として、依頼企業にどんな価値を提供できますか。

社長

採用選考の精度向上から、適正配置・異動の設計、離職やコンプライアンスリスクの早期把握、1on1や評価面談の設計まで、幅広く支援できます。

たとえば採用なら、最終候補者ごとにレポートを作成し、「面接でこの質問をすれば本質が確認できる」という質問設計まで提供します。

異動なら、「どんな言い方・タイミングで通達すれば受け入れられやすいか」まで助言する。可否を機械的に判定するのではなく、人事の皆様の見極めを補助するのが役割です。

そして、私自身が大手メーカー・外資系・創業を経験しているので、退職交渉や幹部登用といった「社内では誰にも相談できない人事案件」の壁打ち相手にもなれます。

┃ メッセージ ──「辞めさせる」ではなく「辞めずに済む配置」を

── 最後に、記事を読む経営者へメッセージをお願いします。

社長

売上や資金繰りの悩みには、銀行や税理士という相談相手がいます。

でも「人」の悩み ── あの社員を採るべきか、なぜ辞めてしまったのか、この人に任せて大丈夫か ── には、相談相手がほとんどいません。

多くの経営者が、たった一人で、勘だけを頼りに人事を決めています。

ETOGRAM®は、その勘に統計というもう一つの視点を足すツールです。人を裁いたり選別したりするためのものではありません。

その人の本質と傾向を知り、活躍できる環境を先回りして用意するための道具です。実際、導入企業で起きているのは「辞めさせる判断」ではなく「辞めずに済む配置」です。人の悩みを一人で抱えている経営者の方こそ、一度お試しいただきたいと思っています。

┃ 会社概要

会社名

アイオーン株式会社

設立

2026年2月

従業員数

代表1名

事業

人材採用支援ツール「ETOGRAM®」の販売・運営

所在地

東京都

対応エリア

全国対応可

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